弊社管理サイト・クライアント様の一部のサイトで、有料テーマ「Snow Monkey」を使用しています。
WordPress を初めて使う方にはあまりおすすめできませんが、趣味や仕事で WordPress を扱ってきた経験があるならぜひ一度使ってみてほしいテーマです。
実際に Snow Monkey を使ってわかったメリット・デメリットを含め、レビューしていきます。
Snow Monkey 概要
テーマ名 | Snow Monkey |
---|---|
制作・販売 | 株式会社モンキーレンチ |
購入形態 | サブスクリプション(年額) |
価格 | スタンダード:16,500 円(税込) プロ:55,000 円(税込) |
試用版 | あり |
ライセンス | 100% GPL |
対象 | ブログ / コーポレートサイト / 中級者向け |
公式サイト | https://snow-monkey.2inc.org/ |
価格(テーマ更新は有料に変更)
2024 年 7 月まではサブスクリプションを途中でキャンセルしてもテーマを更新できていましたが、2024 年 8 月から更新にライセンスキーが必要となりました。
2024年8月1日から Snow Monkey テーマのアップデートにはライセンスキーが必要になります
制作・納品する場合は、ライセンス更新料をどちらがもつのか事前にしっかり確認しておきましょう。これは Snow Monkey だけに限らず、Elementor Pro のような有料ライセンス形式のプラグインでも同じです。
契約が切れて長年更新せず、ハッキングによりファイル改ざんされてしまったサイトは多数あります。サブスクリプションを更新せず使い続けるのはおすすめしません。
【事例公開】 WordPress がハッキングされたときの復旧方法
「スタンダード」と「プロ」の違い
「スタンダード」と「プロ」の違いは以下の 2 点。
- サポートフォーラムでのプライベート投稿
- 有料アドオン の無料ダウンロード
2024 年 6 月現在、提供されている有料アドオンの総額は 55,000 円となっているので、アドオンがすべて必要であればプロプランの利用がお得です。
アドオン | 価格(税込み) |
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Snow Monkey Archive Content | 8,800 円 |
Snow Monkey bbPress Support | 5,500 円 |
Snow Monkey Dropdown Navigation | 8,800 円 |
Snow Monkey Footer CTA | 8,800 円 |
Snow Monkey Heading Widget Area | 5,500 円 |
Snow Monkey Mega Menu | 8,800 円 |
Snow Monkey Member Post | 8,800 円 |
合計 | 55,000 円 |
アドオンがすべて必要になるのは、WooCommerce で自社商品の販売をしたり、掲示板付きの会員制サイトにする場合かなと思います。
要するに、Snow Monkey 公式サイトと同じようなサイトを作りたいときですね。
個人ブログや企業のオウンドメディアとして使うなら、アドオンがなくても問題ありません。様々なタイプのサイト制作を受託しているなら必要になってくるケースもありそうです。
Snow Monkey のメリット
今まで、国内製の主要なテーマは無料・有料に関わらずほとんどさわってきました。現在進行系で、海外製テーマを利用しているサイトもあります。
その経験をもとに、Snow Monkey のメリットを 3 点紹介していきます。
- エディターとブロックがプラグイン化されている
- サポート体制が充実している
- Web 制作のベースとして使える
エディターとブロックがプラグイン化されている
日本製の WordPress テーマは、ほとんどが「テーマのみで完結する」ように作られています。プラグインの数をできるだけ減らす方向性ですね。
海外製だと、テーマはあくまでベースで、必要に応じてプラグインで機能を追加していくのが主流。そのため、メジャーなプラグインとの統合機能が充実していて、あらゆるタイプのサイトを作れるようになっています。
テーマのみで完結する作り方だと、「テーマを変更したくなったときにものすごく時間がかかる」のが問題になってきます。装飾はすべて外れますし、テーマ固有のブロックも使えなくなるのでイチからやり直さなければなりません。
Snow Monkey はエディターとブロックがプラグイン化されていて、一部機能を除いて他のテーマでも使えます。移行時の修正作業にかかる時間は、他のテーマとくらべてかなり少ないでしょう。
以下は、Snow Monkey Blocks で使えるブロックの一部です。
なお、Snow Monkey はクラシックエディターでも使えますが、ブロックエディターでなければ真価を発揮しません。
まだクラシックエディターのままなら、ぜひブロックの便利さを体感してほしいと思います。慣れれば多彩な表現ができますし、執筆スピードも速くなりますよ。
画像に文字を重ねるのも、
ブロックエディターなら簡単です
サポート体制が充実している
Snow Monkey は、購入者専用のサポートフォーラム・オンラインコミュニティが用意されています。
サブスクをキャンセルしても(購入していなくても)サポートフォーラムの閲覧は可能です。購入を検討しているなら、どのようなやりとりがされているか、一度覗いておくとよいと思います。
過去ログを見れば、不具合情報やカスタマイズ方法がほぼ把握できます。それでもわからないことは出てくると思うので、いざというときに直接質問できる環境が用意されているのは心強いですね。
Web 制作のベースとして使える
ブロックエディターの登場以降、テーマ制作はかなり難しいものになりました。仕様変更にも対応しなければならず、フルスクラッチで作るのはあまり得策ではありません。
Snow Monkey は 100% GPL で、制作したサイトをそのままクライアントに納品できます。ゼロから作るよりは格段に楽ですし、エディターやブロックは感覚的に扱えるため、クライアントが更新作業を行う場合もスムーズにいきます。
Snow Monkey には「インストールは1つまで」や「○○なサイトには使用しないでください」のような制限はありません。自由にご利用いただけます。
Snow Monkey – WordPress テーマ Snow Monkey
個人的に、Snow Monkey は他のテーマと比べて「余白」がとてもきれいだと思います。大元の指定を変更すればあらゆる箇所に反映されるなど、フォントサイズの指定方法を含めて CSS の勉強になるところがたくさんあります。
これから WordPress の勉強をしたい、Web 制作の仕事がしたい、という人にもおすすめのテーマです。
Snow Monkey のデメリット
あえて Snow Monkey のデメリットをあげるなら、「カスタマイズ情報が少ない」という点です。
カスタマイズ情報が少ない
「個人ブログ運営」という視点で見ると、他のテーマに比べて初心者向けの基本的な使い方・カスタマイズ情報はかなり少ないと思います。
「子テーマを使わずプラグインにコードを書いてカスタマイズする」ことが推奨されていますから、フィルターフックやアクションフックを理解していないと思うようにいかないことも多いでしょう。
WordPress テーマ「Snow Monkey」カスタマイズ事例
テーマ機能(カスタマイザー)だけで調整できる部分はたくさんありますし、ユーザーの声がアップデートに反映されているので、普段使いでさほど困ることはありません。
それでも初心者向けとは言い難いテーマです。制作者であるキタジマさんも、以下のとおり述べています。
web サイトを素早く立ち上げたいけどコードによるカスタマイズはしたくなくてなるべく管理画面で設定したいということであれば Lightning Pro のようなテーマのほうが向いていると思いますし、ブログを便利に書くための機能が充実しているほうが良いということであれば SWELL のようなテーマのほうが向いていると思います。
Snow Monkey はかなり幅広い web サイトやブログに適応できると思っていますが、やはり得意不得意はあるので、効率性や機能性を追求したい場合はそれぞれのニーズに応じて適切なテーマを使用することをおすすめします。
Snow Monkey とは – WordPress テーマ Snow Monkey
なお、マニュオンによると Snow Monkey の日本でのシェア率は 7 位(2023 年は 9 位)となっていました。
シェア率と比例して情報も増えますから、導入にあたってはその点も考慮しておくとよいですね。
まとめ:Snow Monkey をおすすめする人
Snow Monkey を使ってきて、とくに不満に感じたことはありません。以下にあてはまるなら、ぜひおすすめしたいテーマです。
- WordPress の利用経験がある
- ブロックエディターに慣れている、もしくは使ってみたい
- ブログのほかコーポレートサイトの制作などで使いたい
- WordPress の勉強がしたい
先ほど紹介したように、テーマのシェア率は「SWELL」と「Cocoon」が群を抜いています。それだけ他のブログとデザインがかぶりやすいとも言えるので、それがイヤな人にも Snow Monkey はおすすめです。