「無料ブログ」の代表的なサービスの 1 つであるアメブロ。
そのアメブロでは様々な迷惑行為・スパム行為が問題になっていますが、なぜそうした不正が横行してしまったのでしょうか。
原因と対処法を見ていきましょう。
アメブロスパムはサービス利用者の取り込みが目的
アメブロで不正をはたらく目的は、ほぼお金がらみ。つまり、ブログでお金を稼ぎたいと思っている人たちがあれこれやっているわけです。
もともと「アメブロはお金が稼げるよ!」と触れ回った首謀者がいて、それを聞きつけたお金の亡者たちが次からつぎへとワラワラ群がってきました。これはアメブロに限った話ではなく、どのブログサービスでも同じ現象が起きています。
そのたびに、Google を含め、各サービスが締め出しや何らかの対応を行ってきました。
しかし、スパマーはまた懲りずに新しいアカウントを作り、手を変え品を変え不正行為を働くので、壊滅は難しいようです。
アメブロに巣食う亡者たちはブロガーを狙っている
スパマーの狙いは、サービス内の利用者を取り囲むことです。
Ameba が公開しているデータによると、2014 年現在で 7,500 万人以上のサービス利用者がいます。
ブログのみのユーザー数・ブログ数は公開されていませんが、テスト用に放置してあるアクセスゼロのブログランキングを見ると、559,970 位となっていました。
ランキング未参加のブログがあると考えると、60 万以上はあると推測されます。アクティブユーザーが 8 割と高めに見積もって、48 万ほどのブロガーがいるということですね。
アメブロでは「いいね」や「フォロー」などの機能でブログ同士つながりを持てますから、その 48 万人が標的となるわけです。
フォローすると、ホーム画面に更新が表示されます。
100 人にフォローしてもらえれば、記事更新のたびに 100 人へ告知できるということですね。また、「いいね」することで自分の存在をアピールすることもできます。
これを手作業で行うのはけっこうな労力なので、たいていは何らかのツールが使われています。
ツールによるスパム行為
ツールを使用すると、以下のようなことができます。
- ランキング操作
- 自動記事投稿
- 自動コメント
- 自動フォロー
- 自動いいね
- 自動メッセージ
販売者は「常識の範囲内で使ってください」と一応の断りを入れていますが、購入者は気にも留めずツールをぶん回して迷惑行為に走ります。
それがスパム行為であると認識していない人もなかにはいるでしょう。
これだけ自動をうたわれると、「何もしなくても勝手にお金が舞い込んでくる!」と勘違いする人が出てくるのは当然のことかもしれません。
返報性の法則を悪用したスパム行為
そうしたツールの存在を知らない方々は、いいね返しやフォロー返しをするので、ツールの効果はそれなりにあります。
標的を定めず乱れ撃ちしている場合もありますが、マニュアルに沿って「お返しが期待できる」ジャンルをターゲットにしているからです。
人は誰しも、自分が冷たい人間、薄情な人間というレッテルを貼られるのを嫌います(返報性の法則)。
お返しをすることは良好な人間関係を築く上で欠かせませんから、それがいいね返し・フォロー返しになってあらわれるわけです。
ツールでお返しをし合っている、なんてケースも多々あるでしょう。
アメブロの対応
仕様変更やブログ削除等で対応しているアメブロですが、そのぶん迷惑しているのが一般の利用者です。手を変え品を変えなので、今後もスパムが減ることはないでしょう。
もとからそういったスパムに対する通報窓口がありましたが、2013 年末から新たに「SEO スパムの通報機能」が加わりました。
AmebaにSEOスパムの通報機能を設置したわけ | CyberAgent SEO Information (サイバーエージェントSEO情報ブログ)
以下は、具体的に SEO スパムとみなされているものです。
- アフィリエイトのみが目的になっているもの
- SEOの人工(自作自演)リンクのリンク元になっているもの
- 被リンクスパム
- リダイレクトスパム
- スクレイピングコンテンツ
要するに、中身がないもの、ですね。
読者登録してくれたブログを見てみたら、意味不明な言葉が並んでいたり、ニュース記事を引用(ほぼ転載)してその下にアフィリエイトリンクが並んでいるわけです。
迷惑この上ないですね。
アフィリエイターはクズで気持ち悪い?広告を掲載するブログが嫌われる理由と対処法
アメブロを利用したリダイレクトスパム
「リダイレクトスパム」というのはブログから自動転送する行為で、アメブロではフリープラグインに記述すると簡単に実行できます。
無料オファーや情報商材アフィリエイトリンクが禁止になってから、ぽつぽつあらわれました。
- 他のブログサービスでアフィリエイト記事を作成する
- アメブロにはその記事へのリダイレクトコードを仕込む
- いいねやフォローなどでアメブロに誘導し、アフィリエイト記事へ転送する
ソースを見るとすぐにわかりますが、このようなスパムを積極的に勧めている人物が存在しています。「○○○○を利用して半自動的にお金を稼ぐ方法」などを売っている人ですね。
SEOスパムを通報する人はいるのか
このようなスパム行為が蔓延すると、アメブロというサービス自体の価値が落ちることになります。
通報窓口からどのくらい報告があるのかわかりませんが、SEO スパムだと報告する人はどれくらいいるのでしょう。ブログ運営に支障が出るほどのスパムであれば通報するかもしれませんが、ほとんどスルーして終わりじゃないかと思います。
そもそもアメブロで日記を書いている方々が SEO やスパムに関する知識を持ち合わせているか、というとほとんどいない気がします。
スパムへの対処法
アメブロ会員をターゲットに金儲けを企むスパマーは、この先もいなくなりません。
手っ取り早い対処法は完全無視です。スパマーは複数アカウントを所持しているので、1 つや 2 つのブログをつぶしても本体に与えるダメージはほぼゼロ。無視していれば、やがて消えます。
何か被害があるなら、アメブロへ通報すると共に記事にしましょう。スパマーを利用したアクセスアップ法で、そうした記事は意外と読まれるものです。
ただし、迷惑メールと同じく、スパマーに対して直接何らかのリアクションをすると倍になって返ってきます。下手に刺激せず、ネタとして楽しんでおいてください。
まとめ
「アメブロはもうダメだから他のサービスや WordPress をおすすめします」、とは言いません。どこに行ってもスパムはつきもので、お金に目が眩んだ人は他人の気持ちなど考えず何でもやってきます。
ただ、新しいことにチャレンジするといろいろな道が見えてきますので、アメブロだけに固執する理由はないと思います。
WordPress 自体にはフォローやいいねがないのでアクセスを集めるのに苦労するかもしれませんが、検索流入が増えればフォローやいいねにとられる時間は少なくなりますよ。