「これからブログで稼いでいきたい」「運営中のブログを収益化したい」と考えているなら、まずはどのような手段があるのか知っておきましょう。大きく以下の 3 タイプに分かれます。
- 他人の商品を売る
- 自分の商品を売る
- ブログそのものを売る
どの方法を選択するかで、学ぶべきことや集客方法が変わります。ブログのスタイルにも関わってくる部分ですね。
ブログ収益化の種類と仕組みを詳細に解説します。
他人の商品を売る
「他人の商品を売る = だれかの商品を紹介して報酬をもらう = ブログに広告を掲載する」ということです。
報酬が発生するタイミングにより、以下の 4 タイプに分けられます。
広告の種類 | 報酬発生タイミング |
---|---|
クリック報酬型 | 広告がクリックされたとき |
インプレッション報酬型 | 広告が閲覧されたとき |
成果報酬型 | 広告クリック後にアクションがあったとき |
固定報酬型 | 広告掲載時点(契約による) |
クリック報酬型 / インプレッション報酬型
クリック報酬型広告・インプレッション報酬型広告は、ブログ初心者でも手軽に取り組める収益化方法。ここからスタートして、ブログで稼ぐ楽しさを実感する人が多いかもしれません。
広告コードを設置しておけば、記事の内容などに基づいて最適な広告が自動的に表示されます。広告を選ぶ手間が省けますし、「広告を設置したらあとは記事を書くだけ」なのが最大の魅力。
広告を掲載するには、専用の広告配信サービスへの登録が必要です。初回登録時に審査が行われ、一定の基準を満たしていると判断されればすぐに収益化をスタートできますよ。
広告配信サービス例
1 クリック / 1 インプレッションあたりの単価は、数円~数十円。
アクセス数に比例して報酬が増えるため、生活できるレベルで稼ごうと思うなら毎月 100 万 PV はないと厳しいと思います(ブログのジャンルによって上下します)。
まずはブログで報酬を得るという体験をしてみたいならおすすめの方法ですね。
成果報酬型
成果報酬型広告は、広告クリック後のアクション(商品購入やサービス申込み)に対して報酬が支払われます。
クリック報酬型広告に比べると難しくなりますが、そのぶん報酬単価は高め。大きく稼ぐことを考えているなら避けて通れない道です。
収益化ノウハウでは、「ASP アフィリエイト」「物販アフィリエイト」「情報商材アフィリエイト」など、さらに細かく分類して解説されています。細かい部分の仕組みや集客方法が違ってきますからね。
ASP アフィリエイト例
物販 アフィリエイト例
アフィリエイト広告を掲載するだけでは、アクションどころかクリックすらされません。クリック報酬型広告とは別ものです。
成果につなげるには、「その商品やサービスを必要と思っている人」や「ほしいと思っている人」を集める必要があります。
単純にアクセス数と比例して報酬が増えるわけではありませんが、クリック報酬型広告と併用すると収益を最大化できる可能性大です。
固定報酬型
固定報酬型広告は、広告の掲載やレビュー記事の執筆などに対して報酬が発生するタイプ。
企業から直接オファーがくることもありますし、ASP を通して打診されることもあります。なかには自ら企業に営業するツワモノもいて、安定した収益源となっているようです。
購入や成約につながりそうなキーワードで検索上位表示されていたり、ブログと SNS の両方で知名度があると、頻繁にオファーがきます。
ブログ運営者の連絡先がわからないとオファーのしようがないので、お問い合わせフォームはきちんと設置しておきましょう。毎月の PV 数や収益額といった運営状況をすぐ答えられるようにしておくと、話がスムーズに進みます。
自分の商品を売る
自分の商品を売る場合、ブログのみで完結するケースはほとんどありません。ブログで集客し、販売自体はメルマガや外部サービスで行う、という形が主流ですね。
ブログと相性の良い商品は、以下の 3 つ。
商品の種類 | 概要 |
---|---|
コンテンツ販売 | テキスト・動画・音声といったデジタルコンテンツを販売する |
スキル販売 | Web デザイン・Web 制作・コンサルティングといったスキルを販売する |
物販 | 有形商品を製作、または仕入れて販売する |
コンテンツ販売
コンテンツ販売は、在庫を抱える必要がなく利益率が高い、という特徴があります。
Amazon Kindle のように商品を単体で販売したり、有料メールマガジンを発行して月額課金するなど、販売方法は様々。テキストだけではなく、音声や動画を販売する方もいますよ。
最近は AI を活用している方も増えてきました。
コンテンツ販売サービス例
WordPress であれば、note と同じような仕組みを作るのも、有料の会員制サイトを作って定期課金することもできます。ただしメンテナンスの手間がかかるため、スキルに合わせて選択しましょう。
ステップメールや決済後のコンテンツ配信など、いったん仕組みを作ってしまえば自動で商品を販売できるのも魅力です。
スキル販売
スキル販売は、労働力の提供です。コンテンツ販売のように、商品を作って自動的に売れる仕組みを構築する、というわけにはいきません。
それでも、自分の得意なことがそのまま商品になるため、思い立ったらすぐ販売をスタートできるというメリットがあります。
ブログの場合は、Web デザインや WordPress 関連のスキルと相性が良いですね。Web ライティングなら、お金をもらいながら記事執筆の勉強をすることもできますよ。
スキル販売で難しいのは、競合他社との差別化や、自分で自分を売るテクニックです。
自分の商品を販売した経験がなければ、価格を下げれば売れる、と思ってしまい、「貧乏暇なし」状態になるかもしれません。時間に追われるだけであまり大きな収益にならず、ブログを書く時間すらとれなくなるのは本末転倒。
商品開発に時間がかからないので、スキル販売を通してマーケティングを学ぶ、という考え方をするのがよいと思います。
物販
形ある商品を販売する、というのは大掛かりに聞こえるかもしれませんが、たとえばハンドメイド製品など趣味の延長線上で商品化できるものはたくさんあります。
オリジナルスマホケースの作り方を紹介する記事を書き、必要なツール・パーツを Amazon や楽天のアフィリエイトで紹介し、作るのが面倒だと思う方には自分の製品を売る、なんていう組み合わせもできますしね。
販売サービスは、ハンドメイドに特化したものから、自由に商品を並べて自分だけのショップを作れるものまで様々。
有形商品は材料原価や仕入れ代がかかるため、無形商品に比べると利益率は低めです。価格設定を間違うと、忙しいばかりで儲けはゼロということもあるでしょう。
売るためには一定の品質が求められますが、良いものを作れば必ず売れる、というわけでもありません。リピーターがつくまでは、ブログを通して「自分を売る」というのも大切なポイントになってきます。
ブログそのものを売る
広告掲載や商品販売に比べるとメジャーではありませんが、「ブログそのものを売る」こともできます。ブログ収益化と毛色は違いますけど、方法の 1 つとして覚えておきましょう。
ブログがどれくらいで売れるかは、買い手との交渉次第。大まかに「毎月の収益の 10 ~ 20 倍」が一応の目安です。
売却先を見つける方法は、主に以下の 3 つ。
売却方法 | 概要 |
---|---|
サイト買取サービス | サイトを買い取ってくれる業者に売却する |
サイト M&A 仲介業者 | 仲介業者が買い手を探してくれる |
サイト売買プラットフォーム | サイト売買専用のマッチングサービスに出品して、購入希望者と交渉する |
サイト買取サービス
サイト買取サービスはブログを直接買い取ってくれますが、アクセス数や収益など一定の条件を満たしていないと受け付けてくれません。
過去に運営していた日記ブログで現在はアクセス数も収益もほぼゼロに近い、という状況で買い取ってくれるところはないと思います。
また、プラットフォームなどで取引するのに比べると、かなり安い金額での売却になります。何らかの事情で早急に売却して資金調達したい、というときはありですね。
サイト M&A 仲介業者
サイト売買はただお金をやり取りするだけではなく、難しい手続きがいくつかあります。
- PR 文の作成
- 金額を含めた譲渡交渉
- 事業譲渡契約書作成
- データ移行作業
「十分なアクセス数や収益があり、売れるとわかっているけど面倒なことはだれかに任せたい」ときは、サイト M&A(サイト売買)仲介業者に依頼するのがよいでしょう。
ただし、仲介手数料が最低でも 20 ~ 30 万円かかります。売却見込額が 100 万円を超えるブログでなければ儲けはほとんどありません。
サイト売買プラットフォーム
交渉などが苦ではなく、時間をかけてもよいから自分で取引先を探したい場合は、サイト売買サービス(プラットフォーム)がおすすめ。
基本的に取引先を見つける場を提供してくれるだけです。なかには、オプションとして前述の仲介サービスを選択できたり、契約書作成などの付随サービスがあったりと、いろいろですね。手数料もプラットフォームによって異なります。
売上ゼロでも買ってくれるケースがあるので、Google のアップデートに巻き込まれてどうしようもなくなったブログなどがあれば、試しに出してみるとよいかもしれません。
サイト売買プラットフォーム例
ブログ初心者におすすめの収益化方法
だれでも簡単にブログで大きく稼ぐ方法はありません。どの方法が適しているかも、人によって違います。
「Google AdSense で稼ぐためには膨大なアクセス数が必要だから初心者には向かない。ASP アフィリエイトのほうがおすすめ!」なんていうのは、ポジショントーク。たまたまその人には ASP アフィリエイトが合っていた、というだけです。
ブログの運営スタイルによっても、最適な収益化方法は異なります。
- どんなジャンルで書こうと思っているのか
- どのくらいの頻度で記事を更新できるのか
- 記事は季節的な要因で需要が変動するのか
- おすすめしたい商品がアフィリエイト案件にあるのか
といっても、あなたにはどれが最適なのか、現時点ではわかりませんよね。そこで、「Google AdSense とアフィリエイトの併用」という王道をおすすめします。
Google AdSense をおすすめする理由
ブログ初心者に Google AdSense をおすすめする理由は 3 つあります。
- ブログでお金を稼ぐ体験がすぐできる
- クリック報酬型広告のなかでは単価が高め
- 厳し目の審査が目安になる
広告を掲載しても、最初は月に数百円ぐらいのものでしょう。それでも、収益ゼロに比べれば「ブログで稼いだ」と実感できますし、モチベーション維持にもつながります。
また、Google AdSense は他の広告配信サービスより審査が厳しめで、自分のブログは客観的に見てどうなのかを判断する材料となります。審査に通る=広告から収益を得る最低限の仕上がりになっている、ということですからね。
ブログを始めた直後は、審査クリアを小さな目標として記事を書いていくのもよいと思います。ただし、手段と目的を間違えないようにしましょう。
ブログ初心者が Google AdSense で稼ぐための 10 のアドバイス
アフィリエイトをおすすめする理由
Google AdSense は、それなりのアクセス数がなければ大きく稼げません。10,000 PV で 2,000 ~ 3,000 円になるイメージです。また、自動で広告が表示されますから、商品を売っているという感覚もつかみづらいと思います。
そこで、AdSense で多少の収益を得ながら、自分で広告を選定してその商品を紹介するアフィリエイトも併用しましょう。
アフィリエイトには報酬単価 10,000 円以上の広告案件も多数あり、クリック報酬に比べると何百倍もの収益が見込めます。そう簡単にはいきませんが、どうすればその商品を必要としている人に紹介できるか、と考えながら記事を書いていけば今後の運営に大きくプラスとなります。
物販アフィリエイトのほうが難易度はやや低いので、まずは自分が愛用している商品を紹介するところから始めてみてください。
アフィリエイト初心者向けの基礎知識と成功しやすい記事の書き方
記事によって最適な広告は違う
「Google AdSense に向いている記事」と「アフィリエイトに向いている記事」はまったくの別ものです。
収益化方法 | 向いている記事 |
---|---|
Google AdSense | とくに商品を必要としていないし、ほしいとも思っていない方が「知りたくて」検索する内容 |
アフィリエイト | 何らかの商品を必要としているか、ほしいと思っている方が「買いたくて」検索する内容 |
たとえば「花言葉が知りたい」と思っている検索ユーザーは、花言葉の意味を解説している記事を探します。でも、花がほしいわけではないので、記事内で花を紹介してもまず買わないでしょう。この場合は、その人が興味を持ちそうな広告が自動配信される Google AdSense が向いています。
一方、「母の日に花を買いたい」と思っている検索ユーザーが読む記事でおすすめの花を紹介していれば、そこから買ってくれる可能性はかなり高くなります。この場合は、比較的単価の高いアフィリエイト広告が向いているのです。
記事によって最適な広告は異なりますから。それぞれの特徴を活かしつつ収益を最大にしていきましょう。
ブログ運営に慣れてきたら、アフィリエイト広告のみを掲載したブログを作ってみたり、自分の商品を販売するサイトを作ってみたり、いろいろ広げていけますよ。
ブログ収益化方法まとめ
まとめると、ブログで稼ぐ方法は以下の 3 つ。
- 他人の商品を売る
- 自分の商品を売る
- ブログそのものを売る
どの方法がよいか悩んでいるなら、「Google AdSense + アフィリエイト」で始めてみましょう。運営しているうちに自分に最適な手法がわかってきます。
考えすぎて動けないのが最悪なので、まずは手を動かしてください。そして、ブログを楽しむこと。
収益目的でブログを運営するのでも、楽しむことを忘れてお金のことばかり考えてしまうと稼げませんからね。