SEO のために内部リンクに nofollow を使用する必要はありません。下手に使わないほうがよい、というのが正解です。
ひと昔前は nofollow を使った内部リンク最適化もあり、Google も認めていました。しかし現在その手法は有効ではなく、何も考えずに使うとブログの検索順位に悪影響を及ぼす可能性があります。
いったいどのような影響があるのか、そもそも nofollow とはどういう意味なのか、詳しく見ていきましょう。もし WordPress ユーザーなら、あなたの知らないところで影響が出ているかもしれません。
nofollow の意味と使い方
nofollow は、検索エンジンに「リンク先をクロールしなくてよい」と伝える属性です(クローラーに対する命令ではなく、あくまでヒントとして扱われます)。
リンクごとに指定する場合は、<a>
に rel="nofollow"
をつけます。
<a href="https://example.com/" rel="nofollow">リンク先のページはクロールしない</a>
<head>
内に meta タグを入れて、「このページからのリンクはすべてクロールしないで」と伝えることもできます。
<meta name="robots" content="nofollow" />
クローラーがこれらの記述を見つけた場合、基本的にそのリンク先は巡回しません。
ブログ記事が Google 検索のインデックスに登録されない原因と解決策
nofollow はどこで使うのか
「Google 検索セントラル」には、Google が nofollow をどのように扱うかが明記されています。
リンクにその他の適切な値がなく、そのリンクとサイトを関連付けたくない場合、またはリンク先のページをサイトからクロールさせないようにする場合は、nofollow の値を使用します。自サイト内のリンクについては、robots.txt の disallow ルールを使用します。
外部リンクの rel 属性 (nofollow/ugc/sponsored) | Google 検索セントラル
2019 年 9 月より、nofollow 以外に「sponsored」「ugc」という属性が新たにサポートされるようになりました(Bing もサポートしています)。これは、リンクの関係性をより明確にするものです。
rel 属性 | 意味 |
---|---|
sponsored | 広告 / 有料リンク |
ugc | ユーザー作成コンテンツ(コメントやフォーラムからのリンク) |
nofollow | 上記以外の理由でクロールさせたくないリンク |
ブログ記事からのリンクは、有料リンクにさえ気をつけていれば大丈夫です。
ブログの被リンクを増やす方法とペナルティリスクのある NG 施策
- 有料リンクとは
-
お金やモノ、サービスなど、何らかの報酬を受け取る代わりにリンクすること。アフィリエイトリンクはすべて有料リンクに該当します。
「自サイト内のリンク」に関しては、robots.txt による制御が推奨されています。何らかの理由でリンク先をたどらせたくないのであれば、nofollow ではなく robots.txt で指示しましょう。
WordPress「robots.txt」の設定例と作成方法
以下、nofollow が悪影響を及ぼしていたと考えられる実例をご紹介します。
Case1:トップページが圏外に飛ばされた
ひとつめのケースは、トップページが圏外に飛ばされた、というものです。
実はほぼ同時期に 3 件ほどご相談をいただいたのですが、全員 WordPress ユーザーで同じテーマを使っていました。
調べてみたところトップページに対するリンクの一部に nofollow が付けられており、それをすべて外してもらったところいずれも元の順位(ブログ名検索で 1 位)に戻りました。
その他は何もしていないので、nofollow が原因と見て間違いないのでは、と思います。
リンクの一部でもnofollowをつけるのは危険
一般的な構造だと、トップページへのリンクはページ内に複数箇所あります。
- ヘッダーのロゴ(ブログ名)
- ヘッダーメニュー
- パンくずリスト
- フッターのコピーライト
たとえばこのうち、フッターのリンクにだけ nofollow があったとしましょう。
このとき、検索エンジンがトップページに対してのリンクすべてをどう判断するのか定かではありません。
また、クローラーはすべてのリンクをたどるのか、(ソース上)最初に出てくるリンクだけをたどるのか。これもハッキリとはわかりません。その時々によって変わると思います。
ご相談いただいたブログでは、検索エンジンが何らかの理由で nofollow の指示を優先処理してしまい、同一ページ内のトップページに対するすべてのリンクを nofollow 扱いしたと考えられます。
なお、同じテーマを使っていて何の影響もないブログもある(と思う)ので、nofollow が必ず悪影響になるとは限りません。
このケースでは、テーマ制作者の SEO に対する知識が不足していたのだと思います。
Case2:Search Console の内部リンクが反映されない
ふたつめのケースは、Search Console の「内部リンク」項目でトップページがかなり下位にあった、というものです。
Search Console の[リンク]には、ブログ内のページと被リンク数が表示されます。
基本的に被リンク数が多いほど重要なページとみなされ、一般的な構成であればトップページに対して最も多くのリンクが集まります。
先のケースでご紹介したように、ヘッダーやフッターなど、各ページの共通部分にトップページへのリンクがあるからです。
このため、ヘッダーメニューやサイドバーなどに入れているカテゴリーや特定の記事にも多くのリンクが集まります。
しかしご相談いただいた 1 件のブログは、カテゴリーページなどは上位にあるものの、トップページがかなり下位のほうにありました。個別記事にすら負けている状態です。
原因の 1 つはコメント欄のリンク
そのサイトも WordPress で、内部構造をざっと調べてもとくに問題は見つかりませんでした。
相対的にトップページへのリンク数が多くなるよう調整したり XML サイトマップを見直したりと、考えられることはすべてやっても何の変化もなし。
幸いなことにインデックス数に影響は見られず、ブログ名や URL で検索したときにトップページが 1 位でしたので、もしかしたら Search Console の不具合だったのかもしれません。
それでもこれから何の影響もないとは言えないので、念のため最上位ページとトップページにどのページからリンクされているのかをすべて洗い出してみました。
そうすると、「運営者がコメントを返しているページがトップページに対するリンクにカウントされていない」のが確認できたのです。
改めて調べなおすと、コメントの運営者名に自ブログへのリンクがつけられていました。
WordPress は、スパム防止目的でコメントの URL 欄に入力されたリンクに nofollow を付与します。つまり、運営者は意図せずトップページに対して nofollow をつけていた、ということです。
この nofollow を外してから 3 日ほどたって、内部リンク項目でトップページが上位にきました。
ブログの内部リンクに nofollow がないか確認する方法
ご紹介した 2 つのケースは、いずれも「トップページに向けられたリンクに意図せず nofollow がつけられていた」ものです。
nofollow があると必ず悪影響を及ぼす、というわけではなく、悪影響を及ぼす可能性があるという点に注意してください。もしかしたら、偶然が重なっただけなのかもしれません。
ただし、繰り返しになりますが、内部リンクの nofollow は百害あって一利なしです。
オプションでメタタグに nofollow を追加できるようなテーマもありますし、上記例のように一部リンクに nofollow がつけられているテーマもあるので、一度チェックしたほうがよいかもしれません。
nofollowの有無を確認する方法
内部リンクに nofollow があるか確認するのは簡単です。
ソースを開いて Ctrl + F で検索してみてください。
または、「SEO チェキ」の 発リンクチェック でもチェックできます。
内部リンクに nofollow がついていないか、確認してみましょう。
内部リンクに nofollow があったときの対処法
もし内部リンクに nofollow があり、それが意図したものではないなら外したほうがよいでしょう。
テーマ・テンプレートに記述されている場合は、直接編集して削除します。WordPress なら子テーマで上書き可能です。
コメント欄に自分のブログの URL を入れていた場合は、手作業でコメントを編集して削除するのが確実です。
まとめ
以上、内部リンクの nofollow は扱いを間違うと危険、というお話でした。
とくに理由がないのであれば、内部リンクに nofollow は不要です。念のためブログを調べてみてください。もしトップページが圏外になっていたら、早急に対処したほうがよいでしょう。
nofollow がどうとか細かな SEO 施策を気にするぐらいなら、そのぶん記事を書くことに時間と労力を使ったほうがよいのは間違いないですね。
内部リンク構造を見直す方法は以下の記事で解説していますので、合わせてご覧ください。