被リンク(読み方:ひりんく)は、「他のサイトから自分のブログに向けられたリンク」を指します。
ブログのアクセス数や検索順位を伸ばす有効な方法の 1 つは、良質な被リンクを増やすことです。
でも、ただリンクを集めれば効果があるというわけではありません。どのような被リンクなら有効なのか、SEO にどのような影響があるのか、詳しく解説していきます。
ブログ初心者向け「被リンク」の基本
被リンクは海外で「Backlink(バックリンク)」と呼ばれており、日本でもどちらかで呼称することがほとんどです。
下図のとおり、他のサイトからリンクされることを「被リンクをもらう」「被リンクを獲得する」と言います。
被リンク獲得によるメリット
被リンクが増えると、単純にアクセス数の増加が見込めます。
ブログを始めたばかりであれば、世の中のだれもあなたのブログの存在を知りません。他のサイトからリンクしてもらえば、そのサイトをたどってあなたのブログを読んでくれる機会が増えますよね。
また、リンクが増えるほど検索順位が上がる可能性も高くなります。
検索エンジンはもともと「リンクがたくさん集まっているサイトは良いサイトだ」という考え方でスタートしたからです。
「リンク=支持投票」というイメージです。
しかし、どんなリンクでも効果がある、というわけではありません。
被リンクが SEO にもたらす影響
被リンクが検索順位に及ぼす影響は、だんだんと弱くなっているように感じます。
その理由の 1 つは、自作自演によるスパム行為が多発したためでしょう。昔は被リンクの数だけで検索順位を簡単に上げられましたからね。
スパムへの対抗策として Google が 2012 年に実施した「ペンギンアップデート」は SEO 業界では有名で、当時は多数のサイトが一気に順位を落としました。
その対策は今でも継続して実施されており、スパムと判定されるとブログが丸ごと検索圏外に飛んでいく危険性をはらんでいます。
Google 検索の検索結果ランキングを操作することを目的としたリンクは、リンクスパムと見なされる場合があります。これには、自分のサイトへのリンクを操作する行為も、自分のサイトからのリンクを操作する行為も含まれます。
リンクスパム | Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー | Google 検索セントラル
どこからどこまでがスパムとみなされるか、具体的な基準は公開されていません。
自分の所有しているサイトから一切リンクしてはならない、ということではありませんが、やりすぎには注意しましょう。
良質な被リンクとは
被リンクの影響は少なくなってきたとは言え、まだまだ重要な指標です。
以下のようなリンクは、検索評価の向上に確実に影響しています。
- 第三者が自発的に行う自然なリンク(=ナチュラルリンク)
- 自分のブログと関連性の高い有名サイト・大手サイトからのリンク
逆に、以下のようなリンクはまったく効果がなく、むしろマイナスの評価となるかもしれません。
- 自作自演のリンク
- 関連性が低いサイトからのリンク
自作自演リンクは、余裕で見抜かれます。
Google には少なくとも 20 年以上のデータがあり、だれでも思いつくような施策はすべて対策されていると考えておいたほうがよいでしょう。
その穴を突こうと考えるスパマーもいますが、結局はいたちごっこで、「バレない自作自演リンクを増やす」ことに時間をかけるのはムダでしかありません。
その時間があるなら、ナチュラルリンクを獲得することに使ってください。
nofollow リンクは検索評価に直接影響しない
まったく効果のないリンクとして「nofollow」付きのリンクもあげられます。
<a href="https://example.com" rel="nofollow">リンク</a>
検索エンジンは、上記のように rel="nofollow"
が付いたリンクをたどりません。
つまり、投票のカウント対象外となります。
nofollow は以下のようなケースで使用するものです。
- アフィリエイトリンク
- 企業から物品やサービスを提供されて書くレビュー記事のリンク
- 何らかの見返りを求める企画記事のリンク
SNS やランキングサイトからのリンクも nofollow になっていることが多く、検索順位には直接影響しません。ただし、間接的には影響してきます。
少し難しい話になってきますが、予備知識としておさえておきましょう。
内部リンクで nofollow を使うのはおすすめしません。
個人ブログで良質な被リンクを獲得する 4 つの方法
個人ブログで良質な被リンクを獲得する方法は、次の 4 つです。
- リンクしたくなる情報を提供する
- 図解・インフォグラフィックを提供する
- サービス・ツールを提供する
- オンライン・オフラインで交流する
具体的に見ていきましょう。
01. リンクしたくなる情報を提供する
自然な被リンクを獲得するには、「この情報をリンク付きで紹介したい」と思わせるレベルの情報が必要です。
あなただったら、どのようなサイトにリンクするでしょうか。それと同じことをすれば、だれかがリンクしてくれます。
- 調査に手間がかかる統計情報
- 自ら集めたアンケート結果
- その道の専門家だから発信できる情報
- どこよりも速い情報
上記のような「一次情報」を提供できれば、リンクは自然と集まります。
逆に言うと、ネットでちょっと調べたような情報や、発信元があいまいで信頼性が低い情報ばかりだと被リンクは望めません。価値ある情報の提供に努めてください。
02. 図解・インフォグラフィックを提供する
わかりやすい図解やインフォグラフィックを提供すると、引用で使われるケースが多くなり自然な被リンク獲得につながります。
余裕があればデザイナーに発注してクオリティの高い画像を作成するのがベストですが、まずは本ページで掲載しているような簡単なものでかまいません。
最近では Canva を活用した図解作成が流行っており、事例や作り方はたくさん見つかります。
無料版でもかなり質の高い図解を作れるので、ぜひチャレンジしてみてください(本記事で掲載している図も、Canva で作成したものです)。
ただ、残念ながら、時間をかけて作った画像がリンクなしで無断使用されることもあります。
もし自分の画像が勝手に使われていたら、「自由に使っていいけどリンクしてほしい」旨を伝えましょう。
03. サービス・ツールを提供する
サービスやツールの提供も、リンク獲得に有効な手法です。
プログラミングの知識がなくても、ノーコード / ローコード開発できるツールはたくさんありますし、特定の WordPress テーマを使い倒しているならサポートサービスを提供することもできますよね。
ChatGPT などの生成 AI を活用すれば、WordPress プラグインの開発もできます。
「こんなツールがあればいいのに」という需要は、SNS でたくさん見つけられますから、あとはやる気次第です。
04. オンライン・オフラインで交流する
海外では、被リンク獲得のための営業が積極的に行われています。最近は日本でも見かけるようになりましたが、いまいち伸び悩んでいる感じです。
かと言って、ブログの存在が知られていなければ被リンクを増やすのは難しいので、個人ブログであれば営業ではなく「交流」して認知度を広げていくとよいでしょう。
X など SNS で積極的に交流するのでも十分ですし、機会があればオフ会に参加するのもおすすめです。一方的にリンクを要求するのは嫌われるので、まずは自分とブログの存在を知ってもらうことに努めてください。
前述のとおり、SNS からの被リンクは nofollow がついているため、検索順位に直接影響しません。
それでも、SNS を見たブロガーがリンクしてくれる、シェアが拡散して Google Discover に掲載される、といった間接的な影響は見込めるので、ぜひ活用していただければと思います。
効果が見込めない NG 施策
SEO ではまったく効果がないリンク、スパムと判定される形のリンクも多数あります。以下は、その代表例です。
- 過剰な相互リンク
- リンク企画への参加
- 関係性を明示しない有料リンク
- だれでも簡単にできる自作自演のリンク
01. 過剰な相互リンク
SNS での交流などを通して、ブロガー同士が相互リンクするのはまったく問題ありません。
でも、お互いのブログの関連性が低ければ検索評価はプラスになりませんし、検索順位を上げるためだけに過剰な相互リンクをするのはペナルティリスクがあります。
ファールラインを探るのは難しいですが、「これは読者にとって必要なリンクか」で考えるのが一番ですね。
02. リンク企画への参加
SNS やフォーラムでは、ブロガーを対象としたリンク企画がよく行われています。
もし「フォロー必須」など、何らかの見返りが必要とされる企画なら参加しないほうがよいと思います。
「ドメインパワーが強いブログからリンクします!」のような甘い言葉に惑わされないでください。それが意味のない行為であることは、10 年以上前のリンクスパム対策で実証されています。
相互リンクと同じく、関連性が低ければ評価されませんし、内容によってはペナルティにもなり得ます。
03. 関係性を明示しない有料リンク
お金を払ってリンクしてもらう「有料リンク」の利用自体は問題ありませんが、もし nofollow がついていなければスパムとしてペナルティ対象になります。
ココナラなどで個人ブログでも利用できる被リンクサービスがいくつか見つかりますが、利用はおすすめしません。はっきり言って、お金の無駄です。
まったく関係のない海外サイトからリンクされ、ペナルティ対象になって検索順位が大幅に低下するリスクがあります。
もしそうなってしまうと、復旧させるのはほぼ不可能です。被リンクはすべて外してもらうか否認する作業が必要で、それでも完全回復するのは早くても数ヶ月かかるでしょう。ドメインごと捨てたほうがマシなぐらいです。
04. だれでも簡単にできる自作自演のリンク
ブログの被リンクについて調べたことがあるなら、以下のようなサービスの利用を推奨されているのを目にしたかもしれません。
こうした「だれでも簡単に自分でつけられる被リンク」は、nofollow の有無に関わらずほとんど意味のないものです。だれもが思いつく簡単な施策で検索順位が上がることはないので、もっと有益なことに時間を使いましょう。
なお、SEO では意味のない被リンクでも、パワーランクチェックツールで提供されているようなドメインスコア(ドメインパワー)はプラスになります。
第三者が計測しているドメインパワーのスコアは、Google や Bing の評価とはまったく関係ありません。そのスコアを上げるゲームに参加しているなら別ですが、検索流入を伸ばしたいなら自作自演リンクは時間を浪費するだけです。
まとめ
良質な被リンクを増やすのは、そう簡単なことではありません。
リンクしたいと思えるほど質の高い情報を提供するのが大前提なので、上辺だけの施策に取り組むのではなく、しっかりと土台を固めることを最優先しましょう。
また、被リンクを獲得したいなら、自らも積極的に外部サイトへリンクしましょう。「自分だけよければ」という考え方ではうまくいかないので、読者にも他のブロガーにもメリットのある形を考えるとよいですね。