アフィリエイトは危ない? 消費者にとっての危険性とサイト運営者向けリスク回避方法
アフィリエイトは、Web サイトの収益化手段の一つです。
アフィリエイトの仕組み自体はとくに危険なものではありませんが、使い方によってはリスクが生じます。どのような危険性があるのか、「一般ユーザー(消費者)」と「サイト運営者(アフィリエイター)」のそれぞれの視点で見ていきましょう。
知らないうちに危ない橋を渡っているかもしれません。
一般ユーザーにとっての危険性
アフィリエイトとは、だれかがリンクを介して商品やサービスを購入すると、紹介者に報酬が入る仕組みのことです。
たとえば、以下のリンクを通してあなたが本を購入すると、紹介者である当サイト(セオリコ)に一定の報酬が入ってきます。
これをふまえ、あなたを含めた「一般ユーザー(消費者)」にとっての危険性を解説します。
行動が追跡される
Web サイトに訪れた時点で、サイト運営者はあなたの行動の一部を追跡できます。
たとえば「どのリンクをクリックして、どの商品を購入したか」という情報を入手できるのです。ただし、名前や住所といった個人情報を知ることはできません。あくまで匿名の情報です。
「ペットについて調べていたら、どのサイトを見てもペット関連の広告が表示されるようになった」という経験はないでしょうか。それも、行動が追跡されているためです。
一般的なサイトではプライバシーポリシーが掲載されていて、どの情報がどう扱われるかを事前に把握できます。
アフィリエイトリンクをクリックしただけで個人情報が外部に漏れるリスクは低いものの、少しでも怪しいと感じたらすぐにサイトを閉じたほうがよいでしょう。
商品やサービスの質がチェックされていない場合がある
アフィリエイトは、専用サービスを通してだれでも利用できます。
利用にあたって一定の審査はありますが、アフィリエイトリンクを掲載しているサイトの信頼性が保証されているわけではありません。
あなたになんとか商品を買わせようと、使ってもいない商品やサービスを勧めてくることもあります。また、何らかの不当な手段を使用してくることもあります。
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アフィリエイト業界では健全な状態を保つために様々な取り組みをしていますが、それでも「自分が儲かればそれでよい」と考えている人はどうしても出てくるんですよね。
商品・サービスを徹底的に使い込み、良いところや悪いところをきちんとレビューしているサイトもたくさんあります。
信頼できるサイトか確認するために、以下の点をチェックしておくとよいでしょう。
- だれが運営しているのか(運営元が明記されているか)
- その商品に詳しい理由が載せられているか
- 悪い点を隠して良いところばかりアピールしていないか
「その商品やサービスに詳しい専門家」ではなく、「買わせることを得意としているプロ」であることも少なくありません。
とくにランキング形式で紹介されている場合は注意してください。売上本数など客観的なデータに基づいているのではなく、アフィリエイト報酬の高い商品が上位になっているケースもあります。
商品を購入するときは、そのサイトだけで決めず、いくつかのサイトを見て回るのがよいですね。
サイト運営者向けリスク回避方法
「アフィリエイトを利用するサイト運営者」にとっての危険性と、リスク回避方法を解説していきます。
収益が安定するとはかぎらない
収益化手段を問わず、アクセス数や収入が右肩上がりになってそのまま安定する、という保証はどこにもありません。
検索サイトからの流入に頼っていたなら、Google のさじ加減一つでアクセス数が激減する可能性もあります。大型アップデートのたびに廃業するアフィリエイターが一定数いますからね。
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また、アフィリエイトにかぎって言えば、いつ案件が停止するかも知れず、広告主が完全に撤退してしまえばその時点で収益はゼロになります。
「頑張ればいつか結果が出る」「続けていれば結果がついてくる」という単純なものではありません。
複数のサイトを作り、それぞれで集客手段・収益化方法を変えるなど、可能なかぎりリスク分散しておきましょう。一つのサイト・方法に固執することなく、ときには損切りすることも大切です。
内情を第三者に公開されることがある
すべての ASP でそうだとは言いませんが、サイトの内情が別のアフィリエイターに伝わってしまうことがあります。
たとえば、担当者に「どんなキーワードで上位に入っているか」と聞かれて素直に答えると、「あそこのサイトは xxx で集客できているので、この案件はおすすめですよ」といった感じで暴露されてしまうのです。
同じキーワードでそのまま被せられたことも、逆にこちらから被せたこともあり、ASP を通してアフィリエイター同士の争いが起きてしまうんですよね。
他サイトの情報を教えてくれる担当者がついてしまったら、自分のサイトの情報も漏らされるリスクがあると思っておいたほうがよいかもしれません。どこまで赤裸々に伝えるかはあなた次第です。
法律違反で逮捕されることがある
サイト運営・アフィリエイト広告掲載において、複数の法律が関わってきます。
- 知的財産権(著作権や商標権など)
- 景品表示法
- 薬機法(旧・薬事法)
こうした法律を遵守していないと、提携解除やアカウント削除につながりますし、悪質な場合は逮捕に至ることもあります。
アフィリエイト広告をめぐる問題 | 独立行政法人国民生活センター(PDF)
アフィリエイター摘発の衝撃。狭まる「アフィリエイト広告」の包囲網 | 通販新聞ダイジェスト | ネットショップ担当者フォーラム
「個人で運営しているから」「初心者だから」というのは、言い訳になりません。サイトを公開して広告を掲載している時点で対象になります。
法律違反ではなくても ASP の規約違反で広告停止になることもありますから、しっかり勉強してくださいね。
サイト運営は事業であり、雇用されているのとは違って自分で自分の身を守らなければなりません。どのようなことが起きてもすべて自分に責任がある、という覚悟をもってのぞみましょう。
稼ぐどころか大金を失ってしまう
サイト運営にかかるコストはドメイン維持費とサーバー利用料ぐらいですし、アフィリエイトの利用自体もお金はかかりません。
でも、それなりのサイトを作ろうと思えば有料ツールが必要になってきます。
- 有料素材
- 画像編集ツール
- 動画作成ツール
- キーワードツール
- 検索順位取得ツール
- WordPress 有料テーマ
- WordPress 有料プラグイン
高額ツールを使えば、年間 10 万円以上のコストがかかることもありますよね。趣味として考えればそれほど痛い出費ではないかもしれませんが、アフィリエイトで結果を出せなければ赤字続きの事業となってしまいます。
それ以上にお金を失う危険性があるのが、「コンサルティング」「高額塾」「情報商材」です。
どこに価値を感じるかは人それぞれですし、30 万円を使って 100 万円の収入が得られる、ということもあるでしょう。ただし、それで結果が出なくてもだれも補償してくれません。
何にお金を使うにしても、それが本当に今のあなたにとって必要なものか、しっかり吟味してください。少なくとも、「アフィリエイトは自宅にいながら楽に稼げる」という考えは捨てたほうがよいでしょう。
アフィリエイトの危険性まとめ
「真っ当な方法で運営している」のであれば、アフィリエイトは一般ユーザーにとってもサイト運営者にとっても危険性はありません。
「ラクに大金を稼げるという妄想に浸って、自分さえ稼げればそれでよい」と考える一部のアフィリエイターがいるから危険なのです。
あなたがサイトを運営している側なら、広告主・サイト運営者・消費者のそれぞれにメリットがある形を目指していきましょう。