検索サイトからのアクセスを集めるためには、オリジナリティ(独自性)やクオリティ(品質)が必要です。
そのヒントは、Google のガイドライン「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成 」に書かれているので、何度も繰り返し読むことをおすすめします。
でも、Google の文書は独特なので、わかりづらい点がいくつかあるかもしれません。そこで、ブログ初心者向けにポイントを 2 つに絞って解説していきます。
- 低品質と判定されてしまう要因
- オリジナリティの高い良質な記事に仕上げる方法
検索評価が高くなる理想的な記事とは
まず、大前提として「低評価ではない=高評価」という図式は成り立たない点を覚えておきましょう。
「低評価ではない=普通」であって、高評価と判定されるためにはプラスアルファの要素が必要になってきます。
品質を判定する要素は複数ありますが、ブログ初心者がとくに意識しておきたいのは「オリジナリティ」と「読みやすさ」。その両方を満たしていれば、検索上位に入れる可能性が高くなります。
しかし、検索評価は「1 ~ 2 箇所を改善しただけ」で高くなるような甘いものではありません。今後、何ヶ月、何年という歳月をかけてクリアしていくものです。
最初は「低評価ではない=普通」レベルを目指しましょう。
そこにたどり着くだけでも、かなりの努力がいると思います。
では、どのような記事が「低評価」となるか解説します。
低品質コンテンツとは
低品質コンテンツの定義は、Google のガイドラインが参考になります。
そのなかでも、とくに「無断複製されたコンテンツ」と「自動生成されたコンテンツ」に注目してください。
一部のサイト所有者は、他の(多くの場合は評判のよい)サイトから取得した(無断で複製した)コンテンツを中心にサイトを作成しています。無断複製されたコンテンツ自体は高品質のサイトからのものであっても、サイト独自の役立つサービスやコンテンツが他になければ、ユーザーに付加価値を提供することはできません。
無断複製されたコンテンツ
スパム目的で自動生成されたコンテンツ(「自動生成コンテンツ」)とは、独自の価値を生み出したり、十分な価値を付加したりすることのない、プログラムで生成されたコンテンツのことです。ユーザーの役に立つためではなく、検索ランキングを操作することを主な目的として生成されます。
スパム目的で自動生成されたコンテンツ
つまり、以下の記事は低品質と判断されやすいと言えます。
- 検索上位サイトを参考に書いた記事(=見出し構成や内容そのものを真似る)
- 複数サイトをつなぎ合わせた記事
- ネットで調べればわかることしか書かれていない記事
- AI 任せで書いた記事
「検索上位サイトを参考に記事を書くのが正解」というようなノウハウを提唱している方もいますが、その時点で低品質な記事になっていると思ったほうがよいです。
ほとんどを AI 任せにしている、となると、もはやブロガーとも言えません。
検索上位サイトを参考に書いても価値はない
検索上位に入っているサイトは、Google からすると 1 つの正解なのかもしれません。
だからと言って、そのサイトを見ながら真似して書いたり、複数サイトで使われている共通の見出しを抜き取って書けばよい、という安易な考え方はやめましょう。
「です・ます」を「だ・である」に変えるような低品質な書き換えはもちろんのこと、単語を差し替えるなど小手先のテクニックを多用しても、結局はただのパクリにしか過ぎません。
1 ~ 2 個だけオリジナルの見出しを追加する、というような手法も論外。
参考にした、というのはただの言い逃れで、他人の作品を勝手に使っている盗人であることに変わりないのです。
客観的に考えて、既存の他のサイトで情報が十分得られるなら、その情報をパクった記事なんて不要ですよね。検索結果に載せる価値のない、だれからも必要とされないブログになってしまいます。
オリジナリティとは「既存の情報をトレースして独自の情報のように見せかける技術」ではありません。
検索上位ブログを「真似する」と「パクる」は何が違う?正しい競合分析方法
AI に書かせている時点でブロガー失格
記事の大部分を AI 任せにしている場合、自動生成スパムとみなされるおそれがあります。少なくとも「AI が書いた記事が正しいのか、その構成で読みやすいのか」を判断できないなら、使うべきではありません。
そもそも、「検索上位に入れるか」と「必要とされるか」はまったくの別ものです。AI 記事が上位に入ったら、このブログはつまらなくて読む価値のないブログ、と思われるだけでしょう。
他サイトの AI 記事を見かけて、今後も繰り返し読んでみたいと思いますか?
AI に書かせた記事をそのまま公開しても、だれも必要としていません。検索上位に入るのは手段であって、目的はその先にあります。
低品質コンテンツから脱却する方法
低品質コンテンツとみなされないよう、「パクリだとわからないようにする」「AI が書いたとわからないようにする」といった工夫に努める方も多いですが、がんばる方向性が違います。
読みやすくはなるかもしれませんが、オリジナリティは低いままです。
他サイトの情報でも AI でも、何かに頼らないと記事が書けないのであれば、ブログで結果を出すのはまず不可能と考えてください。
- 検索上位サイトの真似をやめる
- AI 任せにしない
これだけで「普通」に近づきます。
オリジナリティの高い良質な記事に仕上げる方法
検索評価に関わる「オリジナリティ」と「読みやすさ」を改善するヒントは、Google のガイドラインに書かれています。
有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成 | Google 検索セントラル
- コンテンツは、独自の情報、レポート、研究または分析の結果を提示しているものですか。
- コンテンツには、雑誌、百科事典、書籍に掲載または引用されるような価値がありますか。
- このコンテンツは、確実にトピックを熟知している専門家または愛好家によって執筆され、レビューされていますか。
- コンテンツは、実体験や深い知識(たとえば、実際に商品やサービスを使用したり、ある場所を訪れたりした経験に基づく特別な知識)を明確に示していますか。
有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成 | Google 検索セントラル
- メインの見出しやページタイトルは、内容を要約して説明する有用なものですか。
- コンテンツに誤字やスタイルに関する問題はありませんか。
- サイトには主要な目的またはテーマがありますか。
- Google が優先する文字数があるとどこかで聞いたか読んだかしたために、特定の文字数になるように記事を書いていますか(そのような設定は存在しません)。
ガイドラインをふまえ、個人ブログで高品質な記事を書くには、次の 4 点を意識するとよいですね。
- 「自分だから書けること」を書く
- 写真や画像は自分で撮影・作成する
- 現時点の 120% の記事を書く
- 検索ユーザー「ひとり」に満足してもらえる記事を目指す
01. 「自分だから書けること」を書く
オリジナリティの高い記事にするには、「あなただから書けることを書く」ほかありません。
- 検索ユーザーが何を求めているのか、どうなりたいかを考える
- それに対して、あなたの知識や経験から答える
もし知識や経験が不足しているなら、その時点で高評価を得るのは難しいということです。
どんなにキーワード調査しても競合調査しても、相対的に勝る部分がなければ検索上位には入れません。
他の人に知識面で劣っているなら、がんばって勉強しましょう(ブログ運営の知識ではなく、そのジャンル・トピックの知識です)。レビューを書くなら、実際に購入してトコトン使いたおしましょう。
あなたの競争相手は、その道の専門家やプロ集団。そんな相手が信頼性の高い企業ドメインを使い、大量のリソースを投下してコンテンツを生み出しています。
知識でも経験でも勝てる見込みがゼロなら、ジャンルの変更を検討したほうがよいと思います。
02. 写真や画像は自分で撮影・作成する
「画像を使えば評価が上がる」と思い込んでいる方は多いですが、正確には「自分で撮影・作成した画像」に価値があります。
とくに、レビュー記事には必ず自分で撮影した写真を掲載しましょう。公式サイトからの転載(引用)やアフィリエイトリンクだけでは低評価のままです。
アフィリエイト初心者向けの基礎知識と成功しやすい記事の書き方
ノウハウ系・ハウツー系の記事においても、読みやすさを向上させるために図解を作成して載せるとよいですね。
フリー画像を利用するのもよいですが、その画像が読者にとって本当に必要かを考えてください。何らかの効果がありそう、という理由だけで載せても意味はありません。
03. 現時点の 120% の記事を書く
「記事の完成度は 60 % ぐらいで OK」と教えている人もいますが、それでは高品質な記事はいつまでたっても作れません。何より、記事を読んでくれた方に失礼です。
現時点で「これ以上はもう書けない」というレベルで記事を書いてください。
今こうしている間にも、あなたより知識も経験も豊富な相手が、時間と労力を使って記事を仕上げています。そんな相手に勝つには 100 % 以上の力が必要になるでしょう。
手抜きの記事で上位に入れるほど甘い世界ではないですよ。
04. 検索ユーザー「ひとり」に満足してもらえる記事を目指す
残念ながら、すべての検索ユーザーに 100% 満足してもらうことはできません。求めていることは人それぞれ違いますし、同じキーワードでも目的が異なるからです。
「ワイヤレスイヤホン おすすめ」というキーワードで考えてみましょう。このキーワードで検索する人の状況は様々です。
- 通勤途中(徒歩や電車)で使いたい
- ランニングやトレーニング中に使いたい
- 音楽を聴くのではなく通話で使うのがメイン
その用途によって、おすすめできる最適な製品は異なりますよね。
通勤途中で使うならノイズキャンセリング性能を重視するかもしれませんし、トレーニング中に使うなら防水性能やフィット感を重視すると思います。
ここで「だれにでも満足してもらえるコンテンツ」を作りたいところですが、ほとんどは広くて薄いつまらない記事になります。そういうのは大手メディアに任せておきましょう。
個人ブログは、「たったひとりを満足させること」に集中すべき。広くて薄いコンテンツではなく、狭くて深いコンテンツですね。
うまくイメージできないときは、「過去の自分」を思い出してみてください。あなたがワイヤレスイヤホンを探していたとき、どのような状況で何を重視していましたか?
- なぜワイヤレスイヤホンがほしくなったのか
- どのようなシーンを想定して商品の使用を考えたのか
- 商品を探すときどのような語句で検索したか
もし、過去の自分が 100 %満足する記事が書ければ、同じような悩みを抱えている読者に突き刺さるコンテンツとなるでしょう。これがブログにおける高品質コンテンツです。
高品質コンテンツに関するまとめ
だれに向けて書くか(=検索ユーザーの状況を想像する)は、ブログ運営において重要なポイントです。そこがボケてしまうと、全体的にまとまりがなく、コンセプトもブレブレなブログにしかなりません。
昨今の SEO は、技術的な施策より価値のあるコンテンツが重視されています。高品質なコンテンツがあって初めて技術的な施策が活きてくる、とも言えますね。
記事を届けるのは画面の向こうにいる人であって、検索エンジンではない。そのことを念頭に、「たったひとりを満足させる記事」を目指していきましょう。