Google AdSense で審査に落ちるほとんどの理由が「有用性の低いコンテンツ」「コンテンツの最小要件」です。
すぐ修正して再審査にのぞみたいところですが、具体的な改善箇所が書かれているわけではないので、何が原因でどこを修正すればよいかわからないですよね。
そこで、今までに 1,000 以上のサイトをチェックして合格に導いてきたノウハウをもとに、審査に落ちる理由と対策事項を解説していきたいと思います。
有用性の低いコンテンツとは
WordPress ブログの場合、「有用性の低いコンテンツ」になっている原因は以下のどちらか、または両方です。
- 記事(メインコンテンツ)の品質が低い
- 記事以外の部分に問題がある
「記事以外」というのは、メニューのリンク配置やカテゴリーページなど、メインコンテンツ以外の部分です。
AdSense 審査はサイト内の全ページ・全箇所がチェックされます。
記事そのものの品質には問題がなく、数ヶ所改善しただけで審査に通った、という事例も少なくありません(もちろん、記事の品質から改善しなければならないケースもあります)。
サイトによってケースバイケースとなりますが、以下を中心に改善していきましょう。
- 記事だけではなく、トップページやカテゴリーページも見直す
- ネットで調べたことをまとめたような低品質コンテンツになっていないか見直す
上記をふまえ、さらに具体的に解説していきます。
構成面の原因と対策
まずはブログ全体の構成に関わる点を 5 つ取り上げます。
- 必要なページがない
- ナビゲーションが整っていない
- アーカイブページが整理されていない
- アーカイブページに記事が 1 つしかない
- 特定のサイトに誘導する文言がある
WordPress の利用を前提としていますが、基本的な部分はどのサイトでも同じです。
01. 最低限必要なページを用意する
ブログ運営に最低限必要なページがないと、審査に落ちる可能性が高くなります。
とくに AdSense の利用規約で定められているプライバシーポリシーの表示は必須。
お客様は、本サービスを利用するに際しては、常に、明確に表示され、簡単にアクセス可能なプライバシー ポリシーを広告媒体に必ず付すものとし
AdSense オンライン利用規約
加えて、運営者情報とお問い合わせページも用意しておきましょう。
プライバシーポリシー | クッキーや個人情報の扱いについて書いたページ。AdSense 広告を掲載するなら必須。 |
---|---|
運営者情報 | だれが書いていて、なぜその分野に詳しいのかを読者に伝えるページ。 |
お問い合わせ | 運営者(あなた)に連絡をとるためのページ。問い合わせ手段がないと、信頼性が低下してしまう。 |
サイトマップページ(HTML サイトマップ)の有無は、AdSense 審査には関係しません。
02. ナビゲーションメニューを整える
ナビゲーション(=メニュー)が整っていないブログは、読者が必要な情報を見つけられません。
各ページに共通して表示される「ヘッダーメニュー」「サイドバーメニュー」「フッターメニュー」を見直して、どこをクリックすれば何の情報を得られるかがわかるようにしておきましょう。
AdSense の利用条件にも明記されています。
サイトの利便性を高めるには、見つけやすく使いやすいナビゲーション バー(またはメニューバー)を用意することが大事です。
サイトのページが AdSense のご利用条件を満たしているか確認する
テーマによってメニューの位置は違いますが、おおむね以下の形になっていれば問題ありません。
- ヘッダーメニュー:ブログの重要なページ(=カテゴリーページ)を配置し
- フッターメニュー:プライバシーポリシー / 運営者情報 / お問い合わせ を配置
パソコンでの見た目だけではなく、スマホの見た目も確認してください。Google はスマホの見た目を優先します。
03. アーカイブを整理する
Google AdSense の審査対象となるのは、記事ページだけではありません。アーカイブページ(特定の条件に基づいた記事一覧ページ)も対象です。
WordPress が自動的に生成するアーカイブページ
- カテゴリーページ
- タグページ
- 月別ページ
- 著者ページ
きちんとメニューを設置していても、アーカイブが整理されていないと読者は迷子になってしまいます。
サイトの複数のカテゴリやページで同じコンテンツを繰り返したり、他のソースからのコンテンツで複数のページやサイトを作成したりすることは避けてください。
サイトで独自性のあるコンテンツと優れたユーザー エクスペリエンスを提供する
初心者のブログで目立つのは、「タグの乱用」です。以下の記事で解説しているとおり、タグはすべて削除しておいたほうがよいでしょう。
月別アーカイブや著者アーカイブのリンクがあるなら、それも削除してください。どちらもほとんど読まれておらず、アクセス数への影響は心配しなくても大丈夫です。
アーカイブは「カテゴリーページのみ」でまったく問題ありません。
タイプ | 対策 |
---|---|
タグページ | いったんすべてのタグを削除し、不要なタグページを乱立させない |
月別ページ | サイドバーなどのウィジェットに配置している「アーカイブ」を削除する |
著者ページ | どこからもリンクしない(どこに表示されるかはテーマによって異なる) |
全記事一覧はトップページを見てもらい、分類された記事一覧はカテゴリーページを見てもらう、というシンプルな形がよいですね。
04. 各カテゴリーに 5 記事以上入れる
カテゴリーやタグページに記事が 1 つしかない状態になっていると、コンテンツの最小要件で引っかかる可能性があります。
コンテンツにユーザーにとって有益な情報が含まれており、ユーザーがアクセスしやすいように整理されていることも重要です。
サイトで独自性のあるコンテンツと優れたユーザー エクスペリエンスを提供する
運営者情報を「投稿」で作成し、同じ名前のカテゴリーを作成しているケースがよく見られます。
「運営者情報」というカテゴリーをクリックしたら、そこに「運営者情報」の記事しかない状態ですね。
このとき、「カテゴリーページにコンテンツがない」として審査落ちの原因になります。
いたずらにカテゴリーを増やさないよう、運営者情報ページなどは「固定ページ」で作成するのがおすすめです。
記事が 1 ~ 2 個しかないカテゴリーがたくさんあると、作りかけのサイトとみなされるかもしれません。各カテゴリーに必要十分な記事数を入れてください。目安は最低 5 記事です。
05. 特定のサイトへの誘導を避ける
Google AdSense 広告のクリックを誘導するのは明確に禁止されていますが、他社の広告・ランキングバナーへのクリック誘導もやめたほうがよいです。
AdSense 広告を設置したときもクリック誘導するおそれがある、とみなされる可能性があります。
Google 広告をクリックするようユーザーに促す行為は、どのような方法であっても認められません。
広告のプレースメントに関するポリシー
サイドバーや記事下にランキングサイトのバナーリンクを設置し、「ポチッとお願いします!」などクリックを誘っているなら削除しておきましょう。
「1 日 1 回応援クリック♪」のような誘導も NG です。
AdSense は、SNS やメールでクリックをお願いする行為も禁止されています。
不正クリックは厳しくチェックされていて、悪質と判断されるとアカウント無効化につながる可能性もあるので絶対にやめましょう。無効化されると AdSense は 二度と使えなくなります。
品質面の原因と対策
サイトの構成に問題がないのに審査落ちするなら、各記事の品質に原因があると考えてよいでしょう。
ブログ初心者によくありがちな NG 例を 3 つご紹介します。いずれも有用性の低いコンテンツに該当するものです。
- 薬機法などの法律に違反している
- 著作権・肖像権を侵害している
- オリジナルの情報がない
Google AdSense審査で「有用性の低いコンテンツ」と指摘されたら、真っ先にチェックすべき点👇#アドセンス #ブログ pic.twitter.com/CC4hMdSGGg
— Reinx▶無料ブログ診断実施中 (@ReinxWeb) March 1, 2023
06. 薬機法などの法律に遵守する
Google は「YMYL」と呼ばれるジャンルを厳しくチェックしています。
- YMYL
-
「Your Money, Your Life」の略で、人生に大きく影響するお金や健康についての内容が該当します。
検索においては、2018 年ごろから健康医療関連の分野が厳しくチェックされるようになりました。「風邪 治し方」などで検索しても個人ブログは表示されず、インデックス登録すらされないこともあります。
広告においては、健康医療や美容関連のコンテンツは薬機法や景表法といった法律が関わってきます。ダイエットサプリのレビュー記事で「サプリを飲んだら痩せました!」と書いていたり、化粧品のレビュー記事で「アンチエイジング」という単語を使っているだけで即アウト。
薬機法違反に関わる違反表現・広告事例集134選 | 薬事法ドットコム
ブログで個人の体験を書くとき、健康医療や投資など YMYL コンテンツが多くなるかもしれません。このジャンルは絶対に審査に通らないというわけではないものの、他のジャンルに比べるとかなり難しくなります。
どうあってもそのジャンルにしたい、というのでなければ、YMYL はあきらめて別の分野で勝負したほうがよいです。
07. 著作権・肖像権を遵守する
著作権や肖像権を侵害しているコンテンツが 1 つでもあると、問答無用で AdSense 審査で落とされます。画像関連でアウトになっていることが多いですね。
たとえば、動画配信サービスを紹介する記事で、サービスページのキャプチャ(スクリーンショット)を掲載するとアウトです。
- サービスのロゴが写りこんでいる(著作権)
- 芸能人の顔やキャラクターが写りこんでいる(肖像権)
各サービスのロゴやパッケージデザインは、特別に許可された場合を除いて勝手に使うことはできません。直リンクやキャプチャはもちろん、複数画像を取り込んだコラージュ画像も NG です。
個人ブログでそうした画像を合法的に使う手段はない、と思ってください。
「引用すれば大丈夫」ということもありません。引用と認められるにはいくつかの要件を満たす必要があるからです。
報道、批評、研究等の目的で、他人の著作物を「引用」して利用する場合の例外です。例えば、以下のような行為が該当します。
- 報道の材料として他人の著作物の一部を利用する
- 自説の補強や他人の考え方を論評するために他人の著作物の一部を利用する
【条件】
- すでに公表されている著作物であること
- 「公正な慣行」に合致すること(例えば、引用を行う「必然性」があることや、言語の著作物についてはカギ括弧などにより「引用部分」が明確になっていること)
- 報道、批評、研究などの引用の目的上「正当な範囲内」であること(例えば、引用部分とそれ以外の部分の「主従関係」が明確であることや、引用される分量が必要最小限度の範囲内であること、本文が引用文より高い存在価値を持つこと)
- 「出所の明示」が必要(複製以外はその慣行があるとき)
※美術作品や写真、俳句のような短い文芸作品などの場合、その全部を引用して利用することも考えられます。
13.著作者の権利の制限(許諾を得ずに利用できる場合)p.10
※自己の著作物に登場する必然性のない他人の著作物の利用や、美術の著作物を実質的に鑑賞するために利用する場合は引用には当たりません。
1 つでもクリアしていないと、ただの無断転載(= 違法行為)となってしまいます。
アフィリエイト目的で商品を紹介するために画像を借りる、というのは必然性に当たらない可能性が高いので、Amazon や楽天の商品ページの画像を使っているならすぐ削除しましょう。
たとえ法的に問題なくても、Google がアウトと判断したらそれまでです。
「ほかのサイトがやっているから大丈夫」と考えないようご注意ください。
08. オリジナリティの高い記事にする
AdSense 利用条件の最初にあるとおり、「高品質なオリジナルコンテンツ」がなければ審査に通りません。
他にも多数のサイトがすでに存在しているため、ユーザーの関心を引き付け、詳しく知りたいと思ってもらえるような、関連性の高い独自のオリジナル コンテンツを掲載しましょう。
サイトのページが AdSense のご利用条件を満たしているか確認する
どのようなコンテンツが高品質にあたるのか、低品質とみなされてしまうのか、ブログ初心者がおさえておくべきポイントを以下の記事で解説しています。
ブログ初心者がオリジナリティの高い良質な記事を書くためのポイント
要約すると、「ネットで調べればすぐわかるような情報を並べているだけではダメ」ということです。どこかのサイトの焼き直しや、複数サイトのつなぎ合わせのような記事では審査に通りません。
あなたのブログは、「広告主がお金を出して広告を掲載したくなる記事」になっているでしょうか。
個人ブログの最大の武器は、体験談です。検索ユーザーの疑問や悩みに対して、あなたの体験から答えてあげましょう。それが有用性の低いコンテンツと言われない唯一の方法です。
Google AdSense 審査に関する Q&A
当サイトでは Google AdSense 審査に通過するためのブログ診断を行っています。そこでよくご質問・ご相談いただくものをピックアップしてご紹介します。
Google AdSense 合格対策まとめ
Google AdSense 審査に通るための対策は以下のとおりです。
「有用性の低いコンテンツ」で審査に落ちたなら、記事を徹底的に見直しましょう。著作権侵害や低品質コンテンツになっているケースがほとんどです。
何度チャレンジしても審査に通らないときは、一度ご相談ください。問題点をすべて洗い出して改善点をお伝えします。
ブログ初心者が Google AdSense で稼ぐためのノウハウ